架空取引による『循環取引』は立派な犯罪です!!!
平素よりピーエムジー株式会社 福岡支店ブログをご覧頂きまして、誠に有難うございます。
福岡支店 営業部の鈴木です。
1月も後半に差し掛かりましたが皆様、お仕事の調子はいかがでしょうか。
さて早速ですが、先日弊社ピーエムジー株式会社 東京本社のHPにて
皆様にお知らせした事項がございます。
上記の通り、ここ数年で『循環取引』に関する事件を目にする機会が増えてきました。
今回のブログではこの循環取引について詳しくお話しさせて頂きます。
そもそも『循環取引』とは、会社経営者が会社の業績を良く見せようとしたり、
営業担当者が営業成績を良く見せようとするための”不正な売上取引”の一つです。
循環取引は会計不正の手口として古くから存在し、
過去にも、度重なる事件として世間を騒がせてきました。
では実際にこの取引がどのようなものなのか簡単に解説していきます。
【1】嘘の発注
A社の経営者や営業担当者が、親しい取引先や下請け業者(B社)に嘘の発注を依頼します
※B社はA社に従わざるを得ない力関係であることが大半です。
↓
【2】商品の引き渡し・売上の計上
B社からの発注を受けて、A社は商品をB社へ販売して売上を記録します
↓
【3】代金の支払い
B社はA社に代金を支払います
↓
【4】嘘の発注
B社の経営者や営業担当者が、親しい取引先や下請け業者(C社)に嘘の発注を依頼します
※C社はB社に従わざるを得ない力関係であることが大半です。
↓
【5】商品の引き渡し・売上の計上
C社からの発注を受けて、B社は商品をC社へ販売して売上を記録します
↓
【6】代金の支払い
C社はB社に代金を支払います
↓
【7】嘘の発注
C社がA社に嘘の発注を依頼します
※C社が損にならないよう、A社に買い取ってもらいます。
↓
【8】商品の引き渡し・売上の計上
A社からの発注を受けて、C社は商品をA社へ販売して売上を記録します
↓
【9】代金の支払い
A社はC社に代金を支払います
というように、これがいわゆる『循環取引』です。
実際に「商品の移動」「資金の移動」「発注・検収等の手続」は行われるので
それぞれの取引についておかしな点は何もありません。
しかし、取引全体に目を向けてみると
明らかにおかしな点があり、 不 正 であることが見受けられます。
売上を記録できるのは
「商品を引き渡す」「引き渡した商品の代金を受け取る」という
この二つの条件が揃った場合に限られます。
しかし実質、商品も資金も動いていないのに
各社に売上が記録されていることが不正と判断される理由です。
では実際に循環取引が発覚した場合、法的責任はどうなるのか詳しく解説します。
【1】刑事責任
循環取引により、売上を水増ししている企業は
上場企業であれば有価証券届出書に虚偽の記載をしていることになります。
そうなると、「証券取引法」や「金融商品取引法違反」の刑事責任が問題となる場合があります。
また、企業内で循環取引を行った担当者についてはその具体性や資金の流れ、
意図と結果によって「詐欺罪」や「業務上横領」、
「背任」や「特別背任」、「私文書偽造」、「同行使の罪」などが問題になります。
【2】民事責任
企業において循環取引を行った担当者に対し、その企業から「損害賠償請求」や
取締役に対する「株主代表訴訟」などの民事責任が問題視されます。
また、循環取引に関与した取引先企業も連帯して損害賠償責任を負う場合も考えられます。
【3】行政処分
株式の公開企業等において、循環取引による粉飾決算で売上げを水増ししていた場合、
有価証券報告書の虚偽記載として「金融商品取引法違反」に該当し
また金融庁より課徴金が科される事があります。
このように、循環取引が発覚した場合の法的責任は非常に重いものです。
そして必ずと言っていいほど悪事は発覚します。
立 派 な 犯 罪 であるという認識を忘れることのないよう皆様、ご注意下さい。
ピーエムジー株式会社 福岡支店では
上記のような事件なども注意喚起を行っております。
皆様の会社がこのようなことに巻き込まれることのないよう
ご相談も承っております。
資金面や経営に関するご相談は何なりとお申し付けください。
今後ともピーエムジー株式会社 福岡支店を
宜しくお願い致します。
ピーエムジー株式会社 福岡支店
営業部 鈴木